(当時)築10年の中古住宅を購入と同時にリフォームし、i : y o(イヨ) と名前を付け
7年間暮した家の思い出を、施主奥様のアイさんが書いてくださいました。


ご家族は、諸々の事を考え、次の段階のために新たな家を購入し、引っ越されました。


引っ越しの時のお子さんの言葉が、設計者としては”ぐっ”と来ます。

写真を添えて、アイさんの書かれた『i : y o(イヨ)の7年』を掲載します。



(1) はじまり

iyoの7年-01 リビング

当時、1歳になった息子と3人で暮らす家を 探していました。
新築の家には興味がわかず、折り込みチラシを見てもひかれず、自然な感じのおうちを探していたところ、志田さんのブログに魅かれ、購読していました。


白い壁と杉板。
モノが少ないすっきりしたシンプルなおうち。


ブログに表現された考え方に共感できるところが多く、自分たちらしい家づくりを提案してもらえそうと思いました。


志田さんの過去の施工例、考え方などを拝見させていただき、時には建築と関係ないことも書いてありましたが(笑)、そういうところもお人柄が分かり安心しました。


土地を購入して、当時志田さんが考案されていた 『ライトウェイトハウス』 のようなものを建てられたらと思ってはみたものの、予算的に、土地を購入し設計してもらって新築の家を建てるというのは、まだまだ私達にはハードルが高く感じました。
大きなローンは組みたくなかったのです。


ライトウェイトハウス = 企画住宅・小さな家 LWH

iyoの7年-02 外観

当時駅前に住んでいたこともあって「駅から近いこと」が条件の一つでした。


新規に土地を探すのは、私達が住んでいるエリアではなかなか土地が出てこないので難しいと感じていたところ、中古の家が 駅から数分程度のところに見つかりました。


もともと新しいものには興味のない夫も賛成し、「購入してできる範囲でリフォームをしてみよう」という話になりました。


ただ、耐震性やそれが安全な物件なのかまったくわからず、仲介してくれた昔ながらの不動産屋さんも 「中古=現況で売る」 という簡単な説明程度でしたので、飛びついていいものか不安になり、思い切って、志田さんにメールを差し上げて、一度、物件をみていただくことにしました。


いまでも初めてお会いしたときのことは鮮明に 覚えています。


(2) 設計と工事の思い出

iyoの7年-04 工事前のリビング

【工事前の1階リビング】

その中古物件は・・・
日当たりも、使い勝手も 悪い家で、わくわく感のしない家でした。
(当時、築10年の建売の家)


それでも「まだ壊すにはもったいない」と言っていただき、小規模ながらもリフォームもしていただけるとのことで、私達の「住みやすい家」に変えてくださるのなら、と お願いすることにしました。

おもしろかったのは、「質問シート」を渡されて、夫と私と両方の考えを聞き取ってくれたところです。


『質問シート』・・・当時やっていたのですが、その後やっていませんでした。新たな質問シートを作製中なので、また再開しようと思っています。


その家の建築当時の図面を入手するのに苦労しましたが、耐震性を高めたかったので、その図面をもとに、補強したら良い場所なども示していただき、構造補強してもらいました。


iyoの7年-05 計画案パース

【設計の計画段階で作ったリビングのパース(上の写真と同じ位置)】

iyoの7年-05 工事中

【ほぼ同じ位置の工事中写真】

【外壁工事中写真】

売主が車庫を部屋に作り変えていたのですが、もともとのアルミサッシをそのまま残してあり、とても「安らげる部屋」ではなく、道路側の壁には『耐力壁』がなかったため、一度その部屋を壊し、基礎を作り、あらたに『耐力壁』を作りました。


リフォームが始まって、実際あけてみて、びっくりでした!
筋かい(すじかい)がまん中で継ぎ足しだったところもあったのです。
そこは志田さんと手慣れた大工さんたちが現場で相談して対処してくださり、きれいに直していただきました。


iyoの7年-05 工事中の2階和室

【工事中の2階和室:まん中をのこぎりで切られていた筋かい】

「建売は怖い」とその時思いました。もちろん『全ての建売』がそうなわけではありません。でも、『そこに住む人のために』作るのと、『工期と金額』だけのために作るのとでは、作る人にとっても、まったく違うものなのだと思います。

(3) 家の思い出

iyoの7年-17 リビング

工事が始まって3か月後・・
明るい家に生まれ変わり、1歳半になる息子は走り回って喜び、杉板生活が始まりました。


それまで住んでいた前のマンションではキッチンからリビングが見えない造りで、子どもの様子がみえづらかったんです。
新しい家のキッチンは窓の方を向いていましたが、今回のリフォームで(キッチンの)背面にカウンターを作っていただいたので、そこで料理をすれば、リビングが見えるようになりました。子どもがゴロゴロしていたり、ブロックなどで遊んでいるのを見ることができ安心したのを覚えています。

iyoの7年-15 リビング


そして、その後、二男が生まれ、にぎやかになりました。

杉板は・・
実は志田さんのブログにも登場したことがあると思いますが、我が家の場合、2人がミニカーを落としたり坂道レースをしたりラジコンをガーガー走らせていたので傷だらけです。すべらなくていいかもしれないと思うしかありません。

iyoの7年-14 杉の床

チャフォールの白壁も、クレヨンがついたりしていました。何度か家族でチャフオォールもミツロウワックス(杉板)も塗ってみました。それも良い思い出です。

広くはない我が家ですが、『風通しの良い明るい家』 にしてもらって、息子2人が赤ちゃんの頃~幼児期を過ごせたのはよかったと思います。


特に和室は二人ともお気に入りでした。以前は壁だった部分に障子を入れてもらい上から(障子を)おろすようにもできて、明るくしてもらいました。

iyoの7年-10 2階和室

【障子の上半分を引き下げる事ができ、お子さんのための手摺になるように考えた】

iyoの7年-10 2階和室

階段(蹴上板部分)にアクリルパネルを入れてもらって、明るくしてもらいました。その階段下にはパソコンスペースをつくってもらったのですが、そこも取り合いでした。

iyoの7年-16 1階階段下机

【階段下に作った机】

リフォーム後しばらく経ってから、テレビ台を作って取り付けていただいたのですが、リフォーム後で(時間が経っていて)も、「あれをどうしたい、こうしたい」ということも、すぐ伝わり、改めて、「頼んで良かった」と思ったことの一つです。

iyoの7年-18 TV台

【一部をお子さん用の机になるように作ったTV台】

(4) 別れ

iyoの7年-13 引渡の時の真新しい杉の床

【引渡の時の真新しい杉の床】

今回、子どもたちの通学等を考えて別の場所に引っ越すことを決めたのですが、

そこはまた中古物件・・・

新築にひかれないのは変わらないようです。ただ、リフォーム済のものだったのでその点は残念です。


杉板からフローリングの生活になって改めて

杉板はさらっとして「気持ちいい、あたたかい」と感じています。



引っ越すときは、息子2人は、


「 このおうち大好きだったよ 」


と言っていました。


「 全部もっていけないの? 」


とも。


志田さんに作っていただいた i : y o の思い出を活かして、子どもの成長とともに変化しながら、自分たちの住みやすい家づくりを続けて行こうと思います。


またいつか志田さんの力を借りられるように・・
志田さんのブログ、
志田さんの家づくりに賛同された方のブログなど
みなさんシンプルでアイディア満載なので、これからも時々拝見させていただきます。



(終)

iyoの7年-12 TV台


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