2022年11月末で、ストレッチのお店が静かに閉店しました。そのお店の内装工事の一部をお手伝いさせていただきました。2~3年くらい前かと思っていたら4年前の事だそうで、驚きました。
ご事情があり11月末でお店を止められるとご連絡いただいたのが11月半ば。
突然の事でびっくりし、最後にお会いしたいと、11月30日夕方に伺いました。到着すると「今最後のお客様が帰られたとこです」とオーナーのSさんが笑顔で迎えてくれました。考えてみたら、お店の工事のご相談で伺っているので、最初と最後に立ち会った事になる?のですね。。
たくさんの方がストレッチを受けたベッド、そして杉板の床
お店を止められるのは、あくまでSさんの個人的な問題で、お店の経営は順調だったそうです。コロナの当初は大変だったそうですが、その後順調にお客様が戻られたとの事。ストレッチという身体に接する事なので、Sさんを信頼する人達だけが。。
お店を止める場合は通常「スケルトンもどし」という内装を全部壊し何もない状態に戻すのが一般的です。でもSさんの場合、この内装を気に入ってくれてそのまま使う「居抜き」状態で借りてくれる人がすぐに見つかりました。それはとても幸運な事です。解体費を出さずに済んだ事はもちろん大きな事。ですが、何よりもSさんが心込めて作り、これまでずっと大切にしてきたお店をそのまま引き継いでもらえるという喜びは大きな事です。Sさんがお店を止めるのは悲しいことですが、そのお店を気に入ってくれた人が現れ使ってくれるのはうれしいですね~。その話しを聞いて私もほんとうにうれしかったです。
この話しにはもうひとつあって、新しく借りる人の前にもうひとりいたそうです。その人は、お店の内装には何も関心なく、できればはがして欲しいくらいの感じだったとか。結局その人とは契約にならず、その後すぐに「気に入ってくれた人」が現れたのです。
簡単に「いい物作ればわかってくれる人が現れる」とは言えません。「いい物」ってあまりに評価の基準があやふやです。「誰にとって」という事も評価が分かれます。
でも、Sさんはご自分のお店を作るにあたり、お客さまが心安らぐよう「心地いい部屋」としてお店を考えられました。杉板を床に選ばれ、壁には珪藻土・・とはいかなかったけれど珪藻土クロスを使い、カフェと言ってもいいくらいの部屋を作ったのです。
私はマッサージや整体なんかに行った事ありませんが、通常そういうお店の内装を考えれば、まったく違うという事を理解していただけると思います。
4年ぶりくらいに行ったそのお店は、最初と変わらずに居心地が良くてほっとできる部屋でした。「変わらないですね~」「ほんとにいいですよね~」とありふれた言葉しか出てこなかったのですが、Sさんも「ほんとにそうです」って言われました。そのお店が好きでそこに泊まった事も何度もあったそうです。
オーナー自身が気持ちいいと思うのだから、それはスゴイ事で、そういう・・発するものを、いや、そいうものだから、感じてくれて気に入ってくれる人が現れるんだろうろうな~と、改めて思いました。
床の杉板
完成時の写真見るとやっぱりずいぶん色が変わっているんだけど、裸足で歩けるこの床は、やっぱり気持ちいいし、気持ちが落ち着きます。
着替えブース
新しく借りる人は、これも気に入ってくれたそうです。
Sさんのお店、、ひと言で言えば 心地いい。ストレッチじゃなくてマッサージだったら確実に寝てしまうと思います。
杉の床に珪藻土クロスは、これまで私もたくさん使ってきたので、それが作りだす雰囲気はよくわかっています。ほぼ間違いなく「心地良さ」を作れるものです。
ただ・・
Sさんのお店はもちろんですが、他の施主の家におじゃまして「心地いいな~」「気持ちいいな~」って感じるのは、使う材料の問題だけではなく、そこに住む人の気持ちが大きく影響するものです。
心からの「迎える」「受け入れる」という気持ちを持っていらっしゃるからこそ、だと思います。ご自分に対してもそうだし、他の人に対しても、変わらない気持ち。。
そういう人が「心をこめたもの」が「いいもの」であり、それは人に伝わり、感じ、わかってもらえる・・のだと思います。
Sさんのお店をそのまま使ってくれる人が現れたのは、偶然かもしれないけれど、「Sさんが心をこめたものだから」という事は、あるのではないかと、私は思います。
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施主のご事情があって、作った家を賃貸として貸している家があります。賃貸用として作ったわけではないから、贔屓目ではありますが、借りる人がすぐに決まったし、退出してもすぐに次の人が決まります。そういう人達の感性がスゴイのか、施主の心が込められたものだからなのか・・
→ 鳥牛之家 6年後の家と見学会
→ 小さな家、夢のあと~さよならLWH003
賃貸だって、ちゃんと「心地いい家」として作れば、借りる人はとぎれずにいるんじゃないかと思っています。
→ M’s 約19年ほぼ満室アパート(2022年時点)
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