約築50年の３階建て賃貸の建て替え。
施主は、賃料の価格競争に巻き込まれないように、長く選ばれる価値のあるものを作りたいというご希望でした。
とはいえ、限りあるご予算の中で工期も含めて実現できるよう、鉄骨造のシンプルな架構を選択。小さな面積なのに室内に、柱型・梁型が出てしまうデメリットはありますが、それがあっても住む人が気持ち良く暮らせるよう、様々な案を検討しました。
法規制の厳しい共同住宅ですの（予算の面からも）一般的な仕上げ材を使わざるを得ないのですが、住戸床には杉板（50角のパネル）を使用。住む人が気持ち安らげると思っています。
前面道路は北側です。南面である敷地奥に寄せて建物を配置する事になりますが、「北向き」からイメージされような暗い部屋にならないよう窓の大きさと位置は考慮しています。さすがに１階奥の部屋はちょっと暗さはありますが、それでも天気のいい日中であればかなり明るい部屋になっています。室内に入る光を柔らかく気持ちよいものにするのにも杉板が役立っています。
建物真ん中に階段室を作りその脇に住戸があります。つまり隣合う部屋が無いという事。在宅で、リモートで会議する場合などに「隣の音」を気にせずに済みます。
外壁はＡＬＣを選択。ただ、できるだけメンテの期間を延ばすように「無機質塗料」を使用しています。
部屋の募集をするとすぐに満室になりました。住む人が気に入ってくれて長く住んでくれる事を、そしていつまでも満室が続くよう考えたこの建物です。10年20年と気に入ってくれる人が絶えない賃貸である事を願っています。
▼階段室
▼道路側（北側）住戸
＊101、201、301号室共通
▼道路側（北側）住戸 1階
＊101号室のみ
１階居室窓は、窓を開けても外を歩く人からまる見えにならないよう視線を遮れる高さまで「上げ下げ障子」を付けました。
▼奥側（南側）住戸
＊201、202、302号室共通
【 Maison A La prier/メゾン アラプリエ 】
| 住所 | 東京都中野区中野1-60-12 |
|---|---|
| 用途 | 共同住宅（ワンルームマンション） |
| 住戸面積 | 1号室（101/201/301）：21.33ｍ2（6.45坪）・2号室（102/202/302）：22.14ｍ2（6.69坪） |
| 敷地面積 | 93.34ｍ2（28.23坪） |
| 建築面積 | 51.37ｍ2（15.53坪） |
| 延べ面積 | 156.42ｍ2（47.31坪） |
| 各階床面積 | 1階：51.37ｍ2（15.53坪）・2階：51.37ｍ2（15.53坪）・3階：53.68ｍ2（16.23坪） |
| 構造 | 鉄骨造３階 ＲＣ造布基礎 |
| 設計監理 | 志田茂建築設計事務所 |
| 構造設計 | （株）久輝建築工房一級建築士事務所 |
| 施行 | 二宮建設（株） |
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