『工務店さんが出してくれる間取りに、完全に納得できない状態が続いています』
京都のWさんから最初にいただいたメールにそう書かれていました。
”
志田さんのBlogに、
『設備のカタログを手にした瞬間、そこから選ぶという電車に乗る』
という風な表現があり、まさに、私が感じていた違和感が「コレだ!」と思ったのです。
”
参考:
【常識という電車を降りてみる】あなたは家に何を求めますか?
常識的な家作り・・・つまり
普通の人が家を作ろうと思った時にまず考える
ハウスメーカーの家 そして 建売 。
その常識的な家づくりでは、必ずカタログがあって、家の間取りやデザイン、使う建材や設備機器など、ほぼ全てのものがカタログになっています。
間取りを考える担当者も自社のプラン集を参考にしますし、キッチンや風呂を始め、ドアも扉もなにもかも、カタログを出してきて
「どれにします?」
っていう話になります。
なんだか「家づくり」って、「規格物」をうまく当てはめていく事 のようですよね。
きっと誰もがそこで「不満」の芽が出るんじゃないかと思うんですが、「まあ、そうゆうものか。。」と納得してしまいます。
でも、Wさんは、納得できなかったんですね。
そこで「間取りの相談をしたい」さらに「間取りだけをお願いできるか」とうご相談だったのです。
私のところでは、「プランだけ作る」という事はやってないのと、よくよくお話を聞くと、工務店の担当者は、とっても真面目に考えてくれているとの事だったので、現在出ているプランについて「私の意見を言わせていただく」という形で、「アドバイス」をさせていただきました。
『こちらの意見はよく聞いてくれます。でも、聞いてはくれるけどそれが思ったように間取りに反映されない。』
工務店の担当者とは何度も打合せし、何度も修正してもらっていたそうなのですが、「イマイチ理解してもらえない」という事もあるし、なんども打ち合わせしているうちに、「一番何をしたいのか?」という部分で、ご自分で矛盾を感じてしまい、行き詰ってしまったようです。
そのモヤモヤがあるから、「もっといい案があるんじゃないか?」でも、もう担当者に言うのも「心苦しい」という気持ちがあって、どうにも進めない不安と苛立ちがあったのだと思います。
書き出す
ご自分の思っている事、工務店の担当者が出した間取りに対する不満点などを書き出してもらいました。
それを元に、私が「これは」と思う部分について確認し、答えてもらい、それを繰り返し、その上で「こうゆう方法もあるのでは」とお話をしました。
たぶん、それで、ご自分の中で「固定化してしまった考え」が、溶け出して自由になったのではないかと思います。
私との話しは「きっかけ」であって、ご自分でいろいろ気づかれてたと思います。ですから、今度は、工務店の担当者に、ちゃんと「したい事」の説明ができたのではないでしょうか。。「どこかで見たり聞いたりした話し」ではなくご自分の考えとして。
まとめ
「カタログで選ぶ」という事がいかに簡単か、、という事なんです。
そうすると、「自分の責任じゃない」っていう部分が残せます。
「それしか選べないんだから・・・」
家づくりって、実際、かなりめんどくさいですから、それを少なくする事もありです。
ただ、自分の家ですから、「他人事」ではなくて、ちゃんと自分が「納得」してください。
「知らないからだまされる」という事はあるかもしれません。
そうならないためには、「自分が納得する」事です。
勉強する事もそのための方法だし、わかるまで説明してもらう努力をする事も必要でしょう。
さもなければ、お金を出して「自分の見方になって仕事してくれる人」を見つける事です。
他人事ではなく、あなたと家族が安心して暮らすための家なのですから。
自分の家を持てる事は、幸せな事です。家づくりに掛る時間は、せいぜい1年くらい。がんばってくださいね!
Wさんには、アンケートをお願いしました。了解を得て掲載します。
これから家づくりを始める方、すでに始めた方 に何か参考になれば幸いです。
Q1
家を考えるにあたり、どんな事が難しいでしょうか?
どんな事を悩むでしょうか?
諸事情によって、購入する土地が20坪しかないため、その土地で満足する間取りを考えることが難しい
せっかく数千万円かけるんだから、どうしても、あれもこれも欲しい と思ってしまう
自分たち家族に、何がベストか見極めるのが難しい。間取り、広さ、構造、動線など
取捨選択ということだと思います。特に今は情報があふれているので、自分の価値観がゆらいでしまいます
Q2
それを解決するために、どんな事をしましたか?(していますか?)
本を読む(立読みしまくって、気に入ったものを数冊購入)
ネットで本を購入(レビューで自分にヒントをくれそうな本か確認)。中村好文さんの本は、アマゾンの書評をみて購入
ネットで、WEB内覧会をひたすら見まくる
展示場や新築オープンハウスを見に行って、間取りの実際のサイズ感を感じる
実家の建築図面を引っ張り出してきて実際の空間とサイズから、イメージする
志田さんに思い切ってメールしてみた(笑)
Q3
ネット検索をしていろんなサイトを見て来られたと思いますが、なぜ、私のサイトで立ち止まられたのでしょうか?
中村さんの設計したいえをいろいろと検索している最中にたまたま拝見しました。
多分、普通の家 とかそういうキーワードかな。。
そしてどの施工例にも通じる簡素な質感 に惹かれました。
それと、"息苦しくない感じ "がとてもいいなと思ったのです。
WEB内覧会でみかけるおうちも とても素敵ですが、なんていうか、息苦しい圧迫感があるなと思いました。志田さんのおうちと比べると。
キッチンも、洗面も、床も、ぜーんぶ既製品のリストから選ぶだけで、根本的な何かがかけているような気がしたのです
(*WさんがWEB内覧会をご覧になった会社の事かなと思います。私のところには既成品のリストはありません:志田)
家の質感、雰囲気 がとても魅力的に思いました。西日本在住ですので、残念ながら、オープンハウスにはいけませんでしたが、一度拝見してみたいですね。
Q4
問い合わせしようと思われたのはどうしてでしょう?
建築条件付きでも、対応が可能なのか聞いてみたいと思ったため。
Q5
実際に(メールで)やりとりしていかがでしたか?
何か得られた事やご自分の中で変わった事はありますか?
図面まで見てくださって、間取りへの御助言をしていただき、とても参考になりました。第三者に見ていただいたことで、だいぶ納得ができました。もっといい間取りがどこかにあるんじゃないかと思い続けていたので。。。
お忙しいのに時間を割いてくださって、本当にありがとうございます。
インターネット上だけですが、志田さんの設計されたおうちを見ていると、1階のリビングだけでも、無垢の床にしたいなあと思えてきました。
Q6
ここまでの家作りの過程で、「こんな事すればよかった」と経験して思う事ありますか?
土地の仮契約済みですが。少しくらい値引き交渉すればよかったです。
Q7
もし次に家を建てる機会があるとしたら・・
私に頼もうと思いますか?(笑)^^
お願いしたいです!私の計画だと、少なくともあと2回は家を建てるつもり
◎子供が巣立ったとき ◎憧れのアパート
ぜひ、頑張ってお金を貯めてお願いしたいですね
志田さんが有名になりすぎて、ご依頼できないのではないかと危惧しております
最後は「そんな事聞く?」という質問で申し訳ありません。。
でも楽しく(?)Wさんの御相談を締めくくる事ができました!(笑)^^
Wさん、ご協力ありがとうございました。
よい家を作ってくださいね!
***
最後に、掲載した画像について。
これは、以前、ある設計コンペに参加した時のものです。
都心の旗竿敷地が計画地でした。回りは家が迫って建ちますので、基本的に外部に面する窓から採光や眺望はあきらめました。
前面道路につながる”路地状部分に面した窓とトップライから光を利用し、明るく穏やかな室内空間を作ろうとした計画案です。
バーン(barn)と名付けたこの家は、外国の映画やドラマに出て来るような”納屋”をイメージしました。
秘密基地っぽくて、天窓(トップライト)から差し込む光が穏やかで神聖で、温かい家。
2階のリビングの半分はロフトがあって、大人でも子供でも、なんだかワクワクするような案で、私自身、とっても気に入っているものです。
思えば、のちに考えた LWH の原石のようなものだったかもしれません。
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